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ケアマネジャー業務やデイサービスなどの介護保険サービスを中心に事業を展開するサーバント。慢性的な人材不足が叫ばれる業界にあって、子育て中の女性が働きやすい環境を整備することで質の高いサービスを維持し、前年比120%の売り上げを達成している。同社は2011年2月、中小企業向けに開発されたサトービジネスサービスの「三行提報BASIC」システムを導入。利用者目線のさらなるサービス改善や組織力強化に活用している。

サーバントは埼玉県富士見市近辺で4カ所のデイサービスを運営している。デイサービスはケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて介護保険で受けられる居宅サービスの一つで、利用者の多くはケアマネジャーが紹介する施設を選ぶ。社員ケアマネジャーは自社のデイサービスに誘導するのが業界の通例といわれる。

ケアマネジャー業務を手がける同社も例外ではなかった。だが、自社ケアマネジャーからの紹介に依存するデイサービス事業は自立できず、選択肢の制約があるケアマネジャー事業の拡大も進まなかった。田賀裕幸社長はこの悪循環を断ち切るために、事業ごとの独立採算を目指す経営に方針転換する。2010年春の決断だった。

利用者が増加してもサービスの質は落とさない

利用者を増やすには他社のケアマネジャーから選ばれる施設でなければならない。「自分たちの売り≠ヘ何かを真剣に考えるようになりました」と田賀社長は語る。

各デイサービス施設は理学・作業療法の半日リハビリ、手作業リハビリ、認知症専門生活リハビリに特化したサービスを提供している。各施設が多様なリハビリニーズに応える強みをアピールすることで、他社ケアマネジャーからの紹介に加えて、業務拡大に向けケアマネジャーを増員する自社からの紹介も以前より増えたという。

介護サービス事業者の中には、慢性的な人手不足と離職率の高さから、利用者の増加がサービスの質の低下を招くケースが少なくない。しかし、同社にその心配は無用だ。「働きたいが働き口の少ない」子育て中の女性を積極採用し、約40人の職員のうち、常勤職員は6人で非常勤職員の9割を子育て中の女性が占める。家庭優先の生活スタイルに配慮して土日・祝日・年末年始は休業する。

「より質の高いサービスを提供し続けるには利用者、家族と接する現場の声を吸い上げ、サービス改善や経営に生かす仕組みが不可欠です。『目安箱』を設けたりしましたが、機能しませんでした」(田賀社長)

そんな時、目に留まったのがサトービジネスサービスの「三行提報」システムだった。2011年2月、1週間のデモ体験を経て「三行提報BASIC」が導入された。

利用者目線の提案が増し「三行提報」全社プロジェクト発足

提出は原則として毎出勤日だが、強制はしていない。項目設定についても「感謝の気持ち」といった平易な言葉にカスタマイズしてある。田賀社長が全ての提案に目を通し、内容に応じて対応や指示、返信を行う。

導入から2カ月後、あるデイサービス職員から三行提報を通じて「入り口のうがい用カップを紙コップに替えてほしい」という要望が提出された。田賀社長はその日のうちに大量の使い捨て紙コップを購入し、翌日には全施設で紙コップに入れ替わった。衛生的と利用者に好評だった。

「こうした細かい改善提案は経営上の重要情報なのですが、気づいた本人が遠慮して口にしないか、常勤職員には伝わっても社長の私までは届かず、現場に埋もれがちです。三行提報導入の大きな成果でした」

自分の提案で実際に現場が変わったことの波及効果も大きかった。利用者目線でよりよいサービス・改善点はないかとの問題意識を持って業務に取り組む職員が増え、約半年で提出数は1000件を超えた。

上下間の情報遮断を解消した三行提報は社内コミュニケーションツールとしても活用されている。「職員からの提案を機に、複数の社内横断プロジェクトが立ち上がっています。全社プロジェクトを通じて会社をよくしたいという人材が育つことを期待しています」(田賀社長)

介護サービス事業者にとって、介護保険以外のサービス拡大・新規事業開発は企業の安定成長に必須の経営課題である。全社目線の発想が経営課題の解決につながる可能性は高い。

三行提報の導入で2つの変化を実感しています。仕事の幅や問題意識は格段に広がりました。ケアマネジャーは他社のデイサービスを知る機会に恵まれているので、三行提報を活用して8人のケアマネジャー全員で情報収集・共有しながらデイサービス部門に参考事例を紹介したり、地域の異業種と連携した独自サービスを提案したりしています。

業務上では、ケアマネジャーの本業に専念できるようになりました。私は男性の常勤職員だからか、他の職員から口頭で改善提案や要望・不満を伝えられることが頻繁にありました。ただ、どこまで社長に言うべきか判断しかねていましたし、本業以外に時間を割く余裕もさほどありませんでした。今は、社長とシステムで情報を共有しているので、その負担から解放されています。

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